こんにちは。褥瘡委員です。
今月も引き続き褥瘡と栄養についてお話していきたいと思います。 前回水分についてでしたが、今回は栄養素についてです。 褥瘡治癒に必要な栄養素ですが、治癒過程において必要な栄養素が異なります。
炎症期・・・必要な栄養素は炭水化物とタンパク質となり、これらが欠乏すると白血球機能低下や炎症期の遷延につながります。 増殖期・・・タンパク質が引き続き大事になる他、亜鉛、銅、ビタンA、ビタミンCなどが必要となります。これらが欠乏することにより線維芽細胞機能の低下やコラーゲンの合成機能低下を招きます。 成熟期・・・成熟期までくるとカルシウム、ビタミンA、亜鉛が必要となります。これが欠乏するとコラーゲン架橋結合や再構築不全、上皮形成不全を招き、きれいに治癒されません。
このように。褥瘡の治癒の段階によって必要な栄養素が変わってきますが、どの栄養素もまんべんなく摂取し、バランスの取れた食事を心がけるとこが治癒を早める一番のカギと言えそうです。
褥瘡予防・治療に不可欠な事として栄養管理が大きな柱の一つとなります。栄養を十分に摂取することで、組織の耐久性を高め創傷治癒が促進されます。したがって日々の食事摂取状況を観察し、いち早く栄養面での危険因子を発見し、より良好な状態にしていく事は褥瘡予防に重要となります。
水分の不足は他の栄養素に比べ全身状態の悪化をきたすスピードが速く注意が必要です。しかし、水分の過剰摂取は浮腫をきたし皮膚の耐久性を低下させるため、適量をはかる必要があります。 おおよその目安として 25歳から55歳・・・体重×35ml(日) 55歳から65歳・・・体重×30ml(日) 65歳以上・・・・・・体重×25ml(日) と言われています。
今の水分量は適量でしょうか。まずは水分から見直しましょう。

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