今月の特集「ペプロウ看護論」の第3回目です。
前回、患者様が抱える不安に寄り添う看護の必要性をお話しました。 しかし、患者様が看護師にすぐに個人的なことをお話しできるかというと、そうではないことは容易にわかりますね。
職員の体験談でもこんな話がありました。
『私の担当していた患者様は、一見なんでもできそうに見えました。しかし、退院に向けて洗濯や内服の自己管理をすすめても、なかなか同意していただけず、理由を聞こうとしても『いいの、いいの』と素っ気なくされてしまう毎日でした。心理士の方に検査結果から患者様の傾向を伺うと、実は認知機能が以前よりも低下していて、やれないことが増えているのではということでした。一見なんでもできそうと思ったのは私の先入観で、患者様の気持ちに全く寄り添っていなかったと気づかされました。その後、できるだろうという先入観を捨て、退院に向けた準備を一緒に考えていくうちに、自宅で困っていることなどを徐々にお話して頂けるようになり、必要なサービスを整え退院を迎えることができました。』
入院された患者様と看護師は初めて会う者同士です。 先入観は、患者様との関係構築の妨げとなってしまいます。
★ペプロウ看護論の特徴★
「看護とは患者と看護者それぞれが互いに学び、成長していく人間と人間の関係」
ペプロウは、看護を人間関係のプロセスだと考え、継続して行われることで形をなすものだと言っています。さらに、
「焦点は患者にあるということ」
が重要であり、
看護者が患者に常に関心を払うこと 患者と心を通わせること 患者の心配を明らかにすること 患者を観察したことを明らかにすること
としています。
川口病院看護部では、この「焦点は患者にあるということ」を特に大切にしています。
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