『自立訓練施設へ退院、そして一人暮らしへ』
Aさん(50代男性)は、入院中からNEARを始めました。入院前は仕事をしていたのですが、電車に乗れなくなったところから症状が出始めたそうです。入院中も外出や活動への参加には消極的でいつも具合が悪く、体調を聞くと「あんまり良くない」と答えるのが定石でした。NEARを始めた頃も、頭痛を訴えて途中で退席したり、集中できない様子が目につきました。それでも辞めることなく参加を続け、自立訓練施設へ退院した後も通っていました。NEARで何が変わるのか疑問に思いつつも、課題セッションではメモをとりながら試行錯誤したり、言語セッションでは司会進行を任されたり、チャレンジを続けることで自信を取り戻していったようです。修了するころには、外出する距離を徐々に拡大して電車に乗れるようになったり、体調を聞いても「いいよ」と答えるようになりました。NEAR修了後には自立訓練施設を卒業して自宅へ戻り、1年以上経過した現在もデイケアに通所しながら一人暮らしを継続できています。
Aさんが見せてくれた変化は、NEARが目標としている“自立した学習者”へとステップアップしていく姿でした。それにはNEARだけでなく自立訓練施設でのトレーニングがあったことも影響しています。鍛えた認知機能を実際に使う場面があるからこそ結果につながるのです。
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