9回目 栄養指導について (鉄欠乏性貧血の人の食事)
貧血というと、だいたいは鉄欠乏性貧血をさします。鉄は体内では生成されないので、食べ物から摂取しなければなりません。鉄の需要と供給のバランスが崩れるとヘモグロビンへの鉄の供給が間に合わずに、貧血が起こります。健康な人の体内で鉄は、血液の中、肝臓・脾臓・骨髄、筋肉などの組織にも蓄えられています。鉄欠乏性貧血の原因としては、食事摂取不足や胃切除などによる吸収阻害または成長期・妊娠出産授乳・月経などの需要増大、癌や潰瘍・痔などの出血によるものなどがあります。
鉄欠乏性貧血の食事療法 1.たんぱく質、鉄の補給をする。 2.鉄の吸収率を上げるため、ビタミンCと動物性たんぱく質を一緒に摂取する。野菜などの鉄は非ヘム鉄といい吸収されにくい為。 3.インスタント食品・加工品・高エネルギーの菓子類や主食に偏りがちな食事を避け、バランスの良い食事内容にし、偏食・欠食の是正をする。
鉄を多く含むもの(七訂食品成分表2016より) 豚レバー(80g)10.4mg 鶏レバー(焼き鳥2本分60g)5.4mg 牛赤身(80g)2.0mg あさり(殻なし25g)1.0mg 納豆(1パック50g)1.7mg 小松菜(1/4束80g)2.2mg
適した一品 ・豚レバーとカレーの野菜炒め・ポークビーンズ・ビーフストロガノフ・ほうれん草と卵のグラタン・小松菜とアサリの和え物・凍り豆腐の煮物・ほうれん草のおかか和え
鉄の小話 鉄分の多いとされるひじきについて。以前はひじきを加工する時に鉄鍋で行っていたので鉄の含有量が多かったそうですが、現在は加工の方法が変わり、新しい成分表の表示では以前の約1/10ほどになっています。
※当院の貧血食は1日に15mg~20mgになるように設定してあります。鉄強化の食品を使用しています。
Comments