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認知症の薬 ~抗認知症薬~

  • t-fukumoto77
  • 2019年11月14日
  • 読了時間: 2分

こんにちは。薬局です。

今回は、抗認知症薬についてご紹介します。

2025年には国内の認知症患者は700万人を突破するといわれていますが、現代医学において認知症はまだ完全には治しきれない病気です。認知症の進行を遅らせるために我が国で使用されている抗認知症薬は4成分あり、作用機序から2つのグループにわけることができます。

一番歴史の古いドネペジルと、ガランタミン、リバスチグミンの3成分はコリンエステラーゼ阻害薬。メマンチンはNMDA受容体拮抗薬に分類されます。同じグループの薬は併用できませんが、違うグループであれば2種類の抗認知症薬を使用することができます。

認知症の原因や症状の現れ方は多岐にわたり、細かく分けると100種類近くになるそうです。認知症の7割近くを占めるアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβ蛋白やタウ蛋白がたまることに症状の原因があると考えられています。これらの蛋白の蓄積により神経細胞の障害や減少が起こり、最終的にアセチルコリンが減少して記憶などの認知機能障害を起こします。そのため、アセチルコリンの分解酵素であるコリンエステラーゼを阻害して脳内のアセチルコリン濃度を高めようと考えられたのが、コリンエステラーゼ阻害薬です。 一方、アルツハイマー型認知症ではグルタミン酸が持続的に過剰に放出されており、その受容体(NMDA受容体)も過剰に活性化された状態となっていることがわかっています。受容体が活性化されると正常なシグナルの伝達が阻害されて、記憶や学習の障害が引き起こされます。NMDA受容体拮抗薬は、神経細胞を保護して過剰なシグナルの流入を防ぐ役割を果たします。

認知症になると幻覚や妄想、うつ症状、興奮や睡眠障害など、ご本人や家族などの介護者を悩ませる症状が現れます。これらの症状を和らげるために、少量の抗精神病薬や睡眠薬も使用されています。

次回は、小児の精神障害に使用される薬についてご紹介します。

 
 
 

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