『認知リハビリテーション“NEAR”』
今回はNEARの内容についてご紹介します。実施期間は6ヵ月間です。週2日で、一日2時間ほどトレーニングを行います。内容は、課題セッションと言語セッションの2部構成です。課題セッションは約60分間で、一人1台パソコンを使ってゲームをします。ゲームは認知機能トレーニング専用のソフトを使っており、段階的にレベルを上げていくことができます。なかなか点数が上がらない時は、どうしたら点数が上がるのかをスタッフと一緒に考えながらチャレンジします。言語セッションでは、その日のトレーニングを振り返ったり、認知機能が日常生活のどんな場面で使われているのかを話し合います。例えば、信号を渡る時には信号機の色を確認したり、車が来ていないか確認するのに注意力や集中力を使います。料理を完成させるために様々な計画を立てて実行する時には遂行機能を使っています。このように認知機能について理解を深めることでトレーニングの効果を高めていきます。また、実施前に認知機能の心理検査を受けていただき、その方の傾向を把握することで的確なトレーニングができるようにサポートします。
NEARで行うパソコントレーニングと、家でひとりでゲームをしているのとどう違うのでしょうか? 同じようなゲームをスマホで楽しむこともできますが、それはあくまでも遊びです。NEARは米国で研究開発され、高次脳機能の研究に基づいて行われるリハビリテーションです。遊びで自然と学習するのとは違い、決められた期間でトレーニングを行うことで一定の効果が期待されます。6ヵ月後には、発言にも自信がついてきてトレーニングも自主的に行えるようになります。そこまでくると、ちょっとした日常生活のトラブルにも対応できるようになってきます。NEARの目的は、社会生活において自分で考えて行動できるよう、自信をつけていくことなのです。
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